拡大内視鏡導入について

従来大腸ポリープは見つけ次第切除してきました。
それは大きくなると癌になると考えられていたからです。 しかし、実際は癌化しないポリープが存在し、これを切ることにより一時休業や高い治療費がかかり、また根が深いポリープに手をつけたため、取り切れず結局手術となるなど精神的経済的に患者さんの負担は大きいものでした。

 ここに登場する拡大内視鏡は先端に100倍ズーム機能を有しポリープの微細なピット(腺口)を観察することにより瞬時にポリープの良悪性がわかり、さらにその場で切るべきか、手をつけず手術すべきかの判断ができます。
ピット診断の研鑽をつむことにより大きな福音を患者さんにもたらします。


下記の画像はいずれも下部拡大内視鏡で観察したものです
Ua+Uc の陥凹型ポリープのVs pit で周辺隆起(Tpit )型のものです。


NBIについて

 しばしば勘違いされることですが、大腸には固有な色調はありません。実質あてる光 照明光の種類により様々な表情を見せるのです。この性質をうまく検査研究に応用したシステムがNBI(Narrow Band Imaging)です。
 これは狭帯域光を使用し、特殊フィルターを介することによりポリープの微小血管模様が今までにない鮮明さでうきあがり、血管をみて診断する新しい診断分野が確立されつつあります。その上未知なる可能性を秘めた頼もしい内視鏡がNBIです。


新内視鏡導入への希望と期待

今まで我々はいわば人体から切りはなした死んだ細胞を見てポリープ診断をしてきました。 内視鏡に携わるものにとって、人体生体内で生きた細胞を目の当りに見てきて診断をつけたいという夢が超拡大内視鏡開発により現実化されました。
また、大腸癌の発育進展の解明をもとに大きな進歩をとげた現在の内視鏡診断学があります。これは立ち止まることのないサイエンスの進歩の追究によってもたらされました。我々も拡大内視鏡 NBIシステムを導入し、これを通してサイエンス 自然科学の感性をみがき、人間の尊厳に根ざした医療の従事する所存です。


2007/05/22 記 村上 秀樹